記帳代行
社会福祉法人の会計基準は、一般の企業会計と異なっています。公認会計士や税理士の試験勉強において社会福祉法人会計を習う機会もありません。そのため、多くの公認会計士や税理士が社会福祉法人の会計を知らないのが現状です。
また、一般企業にはない公的な法人としての制度・規制を理解することは会計面からも重要です。
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記帳はある程度の知識とマメな記録が必要
社会福祉法人を運営した1年の結果が決算の数字として表示されます。決算の数値をまとめ上げるには、日々の活動の収入、支出の伴う取引を記録し、集計することが必要です。
昔、コンピューターも電卓もない頃は、特に集計という作業が大変だったという話を先輩方から聞いたことがあります。今は、コンピューターがあるので、集計に関しては非常に楽になりました。
しかし、記録に関してはある程度自動化できるようになったとはいえ手作業的な部分が残っています。
この記録を日々きっちりとできるタイプの人は、簿記の知識およびその施設が用いる社会福祉法人会計の知識さえあれば会計ソフトを自分で入力してもうまくいくと思います。
ただ、経理というのはそれ自体では売上の上がらない作業です。多くの人が記録を後回しになっているのを私は見てきています。記録を後回しにするタイプの人が、自計化を無理にすると、決算処理がかえって遅くなります。
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一般会社の会計ソフトの入力経験のある人が社会福祉法人の会計ソフトを使う場合
一般会社の会計ソフトを経理をした経験のある人が社会福祉法人の会計ソフトを入力すると、しばらくしてからなんとなく数字が合わないということが起こってきます。
いずれも複式簿記により仕訳を入力することに変わりはないのですが、
・一般会社は貸借対照表と損益計算書という2表のための仕訳
を入力するのに対し、
・社会福祉法人は貸借対照表と事業活動計算書に加えて資金収支計算書という3表のための仕訳
を入力する必要があるのです。
ここの点を注意すれば数字が合うと思いますが、合わす方法はソフトによってやり方が異なるのでやっかいです。但し、そのような仕訳はそんなにたくさんありません。弊事務所が関与する場合、そのような入力レベルであればその社会福祉法人で自計化していただき、イレギュラーな仕訳を相談していただければ解決できるのではないかと思います。
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簿記の知識がない人が社会福祉法人の会計ソフトを使う場合
社会福祉法人には、事務長や事務員がいる場合が多いです。
理事長、施設長、園長の中には簿記くらいなんとかなるだろうと思って事務長や事務員に社会福祉法人の会計ソフトを導入して自計化しようと考えられる方もおられます。
しかし、あまりうまくいかないケースが案外多いです。
それは、
・事務長や事務員は、事務だけをしているのではなく、施設の利用者及びその保護者、行政、業者などの対応に時間が追われており、別にすぐに対応しなくてもいい会計ソフト入力を後回しにし、その結果処理をためてしまう。
・簿記の知識がなく、勉強する時間もとれない。
ことが主な理由だと思います。
自計化は、事務員や事務長の時間の余裕及び簿記の知識をよくみて進めた方がいいと思います。簿記の知識は一般会計より難しい面もあります。理事長や園長のトップダウンだけで決めてしまうのは好ましくありません。
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弊事務所の方針
弊事務所は
・自計化するかどうかはそれぞれの方の希望によっています。
・自計化すべきか、しないかについてまず相談をしております。自計化はそれなりの知識、手間が必要なので無理におすすめすることはしません。特に、社会福祉法人会計の自計化は慎重に対応しています。
・自計化しない場合は、弊事務所で記帳代行を行います。但し少なくとも現金出納帳の記入をお願いしています。記入方法については最初に説明します。最近は表形式(EXCEL)でパソコン入力の方が多いですが、手書きにも対応しています。
・但し、銀行の入出金等の電子データーがあるのであれば、弊事務所にも提供いただければお互いの合理化が可能となる場合があります。
(日本公認会計士協会 公会計協議会 非営利組織会計・監査部会 会員)
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(受付時間:月曜日~金曜日 9:00~17:15)