会計監査(法定監査・任意監査)
平成28(2016)年3月31日、改正社会福祉法が成立、同日公布されました。
改正法の施行は、平成29(2017)年4月1日からですが、一部の条文は平成28(2016)年4月1日から施行されています。
その社会福祉法人の制度改革の中で、事業の規模が政令で定める基準を超える社会福祉法人は、会計監査人を置かなければならないとされました。 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならないとされています。
政令によれば,会計監査人を置かなければならない基準は、 平成29年度、平成30年度は、収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人 平成31年度、平成32年度は、収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人 平成33年度以降は、収益10億円を超える法人又は負債20億円を超える法人 と段階的に対象範囲を拡大していくことを予定しています。
但し、段階施行の具体的な時期及び基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討することとしております。
公認会計士と監査法人の違い
監査法人は複数(5人以上)の公認会計士が集まって法人化されたものです。
監査法人制度は、巨大化グローバル化する企業に対応し、組織的に監査をするために始まった制度です。上場企業は複数の子会社を有するのが通常です。決算を組む経理部隊だけでも相当な人数がいます。その他にも給与計算は別部隊で行っておりますし、売上の請求、入金の管理等間接部門に従事する人だけでもかなりの人数であり、かつ様々な部署で活動を行っています。全国はもとより海外でも活動を行っています。様々な活動に対応しチェックするにはどうしても組織的に監査をする必要があるのです。
では、社会福祉法人はどうでしょうか?今般法定監査対象となる収益30億円と言えば社会福祉法人ではかなり大きい法人ですが、上場企業で売上30億円というのは小さな部類になります。売上や収益が小さいと当然組織も小さくなります。
各都道府県に拠点が有り、海外に関連当事者があるような社会福祉法人であれば、規模的には監査法人の範疇になるかと思います。そうでない場合は必ずしも監査法人に依頼する必要やメリットは無いと思います。少数精鋭で経理をされているところに数人であればともかく多数の会計士にて監査を行うのも対応が難しいのでは無いでしょうか
畑会計事務所では、昭和50年代より社会福祉法人会計に取り組んでおり、非営利法人である社会福祉法人にかかる様々な事例を経験しております。 今般導入された法定監査にも対応します。この場合、社会福祉法人の規模に応じて畑会計事務所の会計士ネットワークよりチームを組み数名にて監査を実施します。また、様々な相談についても機動的に対応いたします。
また、将来的に会計監査人設置義務法人となることが見込まれる場合は、なるべく早い内に公認会計士による財務会計に関する内部統制の向上に対する支援を受け、内部統制を整備運用して行く体制を整えることをお勧めします。
法人運営の透明性の確保、財務規律の強化などは全ての社会福祉法人に求められているものとも言えます。 法改正に先行して、会計の整備のために、専門家による会計指導を検討してみてはいかがでしょうか?
(日本公認会計士協会 公会計協議会 非営利組織会計・監査部会 会員)
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