令和4年度税制改正大綱
令和3年12月9日、令和4年度税制大綱が閣議決定されました。
今月号では、主だった改正内容を簡単にご紹介致します。
今回、注目されておりました「相続税と贈与税の一体化」については、今後本格的な検討を 進めるという検討事項にとどまり、現行制度からの改正はありませんでした。今後の動向が注目されます。 内容は令和3年12月22日時点の公表によるものであり、改正の実施時期は各項目により異なりますので、ご注意ください。
<賃上げ税制>
・人材確保等促進税制の見直し
R4.4.1~R6.3.31までの間に開始する各事業年度において、継続雇用者給与等支給額の対前年度増加率が3%以上の場合、
控除対象雇用者給与等支給額の15%の税額控除。
また、中小企業の場合、下記の要件を満たすことで上乗せ措置を拡充。(最大税額控除40%)
雇用者給与等支給額の対前年度増加率2.5%以上で税額控除率に15%加算。
教育訓練費の対前年度増加率10%以上で税額控除率に10%加算。
<住宅取得関連>
・住宅ローン控除
適用期限をR7.12.31まで4年延長し、借入限度額、控除率控除期間を下記の通り見直す。
また、対象者の所得要件を2,000万円以下に引き下げる。
居住年 | 借入限度額 | 控除期間 | 控除率 | |
新築住宅等 | R4~5 | 3,000万 | 13年 | 0.7% |
R6~7 | 2,000万 | 10年 | ||
認定住宅 | R4~5 | 5,000万 | 13年 | |
R6~7 | 4,500万 | |||
※既存住宅等の場合、借入限度額は一律2,000万、控除期間は一律10年 |
・住宅取得等資金贈与
適用期限をR5.12.31まで2年延長し、非課税限度額の引き下げ。(R4.1.1以後の贈与より)
耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋 1,000万(現行:1,500万)
上記以外の住宅用家屋 500万(現行:1,000万)
<電子取引>
電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について、R4.1.1~R5.12.31までの 2年間における電子取引に関して、やむを得ず保存要件を充足できなくとも宥恕措置が設けられる。
<事業承継税制>
非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度について、特例承継計画の提出期限を R6.3.31まで1年延長。
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