空き家とみなされると固定資産税が最大6倍に?
(1)固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家屋を所有している人に対して、市町村などの地方自治体が付加する税金をいいます。基本的には固定資産税課税標準額に、標準税率である1.4%を乗じて計算されます。この固定資産課税標準額は、土地の公示価格などをベースにして、時価の概ね70%を基準にして決定されます。土地の価格については、3年に1度の割合で評価額が見直されることになっています。
(2)住宅用地の特例措置
土地の中でも住宅用地については、以下のような減免措置があります。今まで住宅用地の特例措置については、すべての住宅に適用されていました。しかし平成28年度分からは、特例空き家等への適用が除外されることになりました。
区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
小規模住宅用地 | 住宅1戸について200平米まで | 課税標準×1/6 | 課税標準×1/3 |
一般住宅用地 | 住宅1戸について200平米を超える部分 | 課税標準×1/3 | 課税標準×2/3 |
(3)特定空き家等とは
空き家対策特別措置法によれば、特定空き家等の定義について、以下の具体的な状態を列挙しています。
①著しく保安上危険となるおそれがある状態
②衛生上有害となるおそれがある状態
③著しく景観を損なっている状態
④周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切な状態
(4)特定空き家等に指定されないためには
管理状態が悪いからといって、いきなり特定空き家等に指定されるわけではありません。まずは市町村長が空き家の所有者に対し、必要な勧告を行うことになります。その勧告にもかかわらず、一向に是正されない場合は、特定空き家等に指定されることになります。特定空き家等に指定されると、住宅用地の特例措置が適用されず、固定資産税が6倍、都市計画税3倍に増えてしまうことになります。そのため空き家の所有者は、特定空き家等に指定されないように、注意しておく必要があるでしょう。
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