厚生年金基金制度が廃止に?
(1)概要
厚生労働省は平成24年11月2日、AIJ投資顧問による年金消失問題を受けて厚生年金制度の改革案が公表されました。この改革案によれば、財政難に陥っている基金を5年以内に集中的に解散させ、10年かけて企業年金の一つである厚生年金基金制度を廃止する方針です。また基金が公的年金部分の積立不足を自助努力でも解消できない場合には、企業などが納めた厚生年金保険料で穴埋めさせ、自主的な解散を促すとされています。ただ財政を健全に保ちながら事業を継続している厚生年金基金は制度の廃止させることに反対を表明しており、厚生労働省の改革案が実現するかは不透明な状況です。
(2)廃止の背景
厚生労働省はこれまで年金受給者に配慮して、厚生年金基金の解散を厳しく規制してきました。現在約570ある厚生年金基金の半数で企業年金部分の積立金が底をついているといわれています。また追い打ちをかけるようにAIJ投資顧問による年金消失問題が発生し、厚生労働省では厚生年金基金制度廃止もやむを得ないと判断したようです。
(3)今後
厚生労働省では、加入者自らが運用を行う確定拠出年金などへの移行を促す方針です。また中小企業が加入しやすい新しい確定拠出年金を盛り込むとされています。ただ厚生年金基金の積立不足をどの程度厚生年金保険料で穴埋めさせるのか明確ではなく、厚生年金基金連合会も反発をしており、今後厚生年金基金がどの方向に進むか目が離せません。
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