平成23年度税制改正
平成23年度税制改正法案は震災の影響により3月末までに成立せず、そのうちの一部が新たな法律として6月30日に公布・施行されました。そこで、税制改正のうち主な項目についてお伝えします。
【法人税】
・中小企業者等の法人税率の特例
普通法人のうち期末資本金の額が1億円以下であるもの等の各事業年度の所得の金額のうち、年800万円以下の金額に対する軽減税率(22%→18%)の期限が延長されました。(平成23年3月31日まで適用)
・グループ法人税制の見直し
複数の完全支配関係がある大法人(資本金等が5億円以上)に、発行済株式等の全部を保有されている法人は、中小企業者等の特例措置(法人税の軽減税率など)が不適用になる見直しがおこなわれました。(平成23年4月1日以後に開始する事業年度より適用)
・雇用促進税制の創設
青色申告法人の各事業年度において、雇用保険に加入する従業員数を前事業年度に比し、5人以上(中小企業者等については2人以上)及び10%以上増加している等を要件として、増加した雇用者一人当たり20万円の税額控除ができることとされました。(平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度において適用)
なおこの制度の適用を受けるためには、事前に公共職業安定所に「雇用促進計画」を提出し、かつ、税務署に一定の書類を提出しなければなりません。
・環境関連投資促進税制の創設
エネルギーの有効な利用の促進に著しく資する設備等(太陽光発電設備など)の取得等をした場合には、取得価格の30%の特別償却(中小企業者等は取得価格の7%の税額控除との選択適用)ができることとされました。(平成23年6月30日から平成26年3月31日まで適用)
【所得税】
・所得税率の特例
上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する軽減税率(15%→7%)の特例が延長されました。(平成25年12月31日まで適用)
・年金所得者の申告不要制度の創設
公的年金等の年間収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の年金所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、その年分の所得税について確定申告書を提出することを要しないこととされました。(平成23年分から適用。)
なお、確定申告書の提出義務がない場合であっても、還付を受けるための申告書は提出することができます。
また、公的年金等に係る源泉徴収税額の計算における控除対象に寡婦(寡夫)控除が加えられました。(平成25年1月1日以後支払分から適用)
【消費税】
・事業者免税点の見直し
基準期間における課税売上高が1000万円以下であっても、前年又は前事業年度開始日以後6ヶ月間における課税売上高が1000万円を超える場合は、納税義務は免除されないこととされました。(平成25年1月1日以後開始する年又は事業年度から適用)
・仕入れ税額控除の見直し
課税売上高が95%以上の場合に課税仕入れ等の税額の全額を仕入れ税額控除できる制度は、課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者には適用しないこととされました。(平成24年4月1日以後開始の課税期間から適用)
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